「やったぞ やっと自分だけの

オリジナルな作品が出来た」


ここまでくるのに

ものすごく長い年月を費やした


その顔には年輪のような深いシワが刻まれ

その手はボロ雑巾のようになり

はっきりと老いが表れている


今までずっと苦労してきた

愛する妻ももう先に逝ってしまい

手元に残るのはこの絵だけ…


来る日も 来る日も

男はこの絵を眺めた

大業を成し遂げたのだという思いが

こみ上げてくる


このようにしてだんだんと磨り減っていき

ある日突然

男は逝ってしまう


あの絵を残して…


そして残された人々は思う

あの老人はこのキャンバスに

何を描こうとしたのか


…あとに残ったのは

真っ白なキャンパスだけだった