人の記憶は時に結晶となる

思いのかけらが心の底に落ち着いて

気がつくかすかな光を放ちながら

小刻みに振動する


ある時その小さな振るえが

心のざわめきを呼び起こし

次第に大きな揺れとなり

抑えられない衝動へと突き動かす


そして受け止められた想いは

淡くピンクに色づき

やさしくやさしく

ふんわりと輝く


薄暗い部屋のテーブルの上

ワイングラスが二つ

窓から差し込む月の光が

その輪郭をクリアにする


お酒のせいもあるのか

頬を少し赤らめた

彼女の横顔がとてもきれいだ


僕はチャンスをうかがっている


彼女に触れたい、抱きしめたい

そして頬にキスをしたい


君はとてもきれいだよ

そうささやいて、

ふわっとやさしくやさしく

キスをした


照れくさそうに見つめる

瞳の輝きが愛おしい


やっぱり君はきれいだよ

そう思って再び僕ら

この月明かりの部屋の中

ふわっとやさしくキスをした